君が眠れば


ふわり、と白いマントが風に浮く。

立ち上がったアレッシュは、クロレラの隠れるほうを見ることなく、立ち去った。


刺激される記憶。

温かい言葉。

ぎゅう、と愛しい人の身代わりを抱いた。




救われた。

ねぇ、救われたかな。




空の向こうを見る。

もちろん、そこには何もないのだけれど。

届くのではないかと、小さな願いを乗せて。






「おやすみなさい、ルー」






空知らぬ雨が、静かに地面を濡らした。