「お前が朝から気色悪い顔してるから悪いんだろっ」 「気色悪いって…失礼じゃない?」 私は頭をさすりながら立ち上がる。 そっぽ向いて腕を組んでいる一仁は、なんとなく不機嫌な感じがして。 いつもより言葉にトゲがある気がして。 もしかして、昨日の事怒ってる? 「……一仁?あの――…」 「杏奈ぁ――!!」 「わっ」 私の言葉は沙結の叫び声に掻き消されて。 それと同時に抱き着かれてよろめいた。 そんな私達を見て、苦笑いを浮かべながら近付いてくる奏太。