君と共に



しばらくそうしていると、トントンっと肩を叩かれた。

今度は何?

きっと、またからかうんでしょ!?

何回も引っ掛かって堪るかって、自分に喝をいれて振り向いたのに。


「ん。」


存外に優しくとられたあたしの手の中に。

レンはさっきまで弄んでたストラップを乗せ、包み込む様に握らせた。


「……へ?」


予想もしてなかった事が起こって、至近距離にいるレンの顔をまじまじと見つめて間抜けな声を出した。


「ククッ。
そんな驚くことかよ?奪って喰ったりしないから大丈夫だよ。」


ポンポンっ。
てあたしの頭を軽く撫でてるけど。


「とっ、とって喰ったり…って……!!」


「すっげぇ身構えて振り向いたから、てっきりそう思ったんだけど?」


こ、こいつは――!