ドアの開けられた車を目の前に、あたしは素頓狂な声を出して、驚く。
「早く乗らないと、注目浴びるぞ。」
レンの言葉に思わず辺りを見回す。
通り過ぎる人たちは、みんなこちらをジロジロ見ていく。
もう注目されてるんですけどー!
確かに、この二人はどっかのモデルだって言っても良いくらいに格好良いし。
注目されるのは当り前か。
急に恥ずかしくなったあたしは、周りの人たちの視線から逃げる様に車に乗り込む。
その後からレンも乗り込んで来た。
ニヤリ。
上手くいったと言うようにレンはあたしに向って口角を上げてみせる。
もしかして嵌められた!?
そんな事を思ったけれど、悔しくなってそっぽを向いてしまった。
だって、外に出て、またジロジロ見られるのは御免だもの。
