「俺もこの曲好き」
そう言ったのは三澤だった。
なんだか意外だな。
あゆファンは私の周りにたくさんいるけど、男子ではあまり聞いたことが無かった。
きっと男子にはあゆの良さはよくわからないんだと思ってた。
~♪
歌い終わったときみんなが拍手してくれて、私は恥ずかしくて顔を伏せた。
「美優~なんか感動したよ~」
千尋が私に抱き着いてきた。
そして千尋の顔を見たら、涙が流れていた。
「泣くなよー千尋~」
「だっでーぇ」
千尋はまたまた泣き出した。
「こっちにも泣いてる奴がいますよー?」
「なんで泣くのよー」
なんと泣いていたのは、バンドの山田だった。
「美優ちゃんあゆじゃん」
と、田崎が言って来た。

