「千尋ちゃん張り切ってんな」


と、私の後ろから三澤がボソッと言って来た。
私は笑ってごまかすと


「朝倉好きなのバレバレだな」

どっ、どう反応しよう。
勝手に言ったら千尋に怒られるよ…。


「松浦って焦ると目合わさなくなるよな。今もどうしようって思ってんだろ?」

「………」

「もう好きなことくらい、見てたらわかるから気にすんなよ」



三澤はなんか不思議だな。




男子は5人では無く4人だけで、まだ2人は名前すら知らない。


そして私たちはカラオケ店に入ることになった。


「自己紹介しようぜ」


まだ喋ってない奴が言った。


「俺は、田崎裕司な」

田崎はサッカー好きらしく、中学のときはサッカー一筋で、彼女が一度も出来たことがないらしい。
意外と純粋な奴だ。


「はーい!私、川瀬千尋!」

千尋が元気良く言った。
やっぱり可愛いから羨ましい。


「俺、朝倉修な」

千尋の好きな朝倉だ。
運命の人を見つけるために高校では恋愛に頑張るそうだ。


「えーとっ、山田健哉です」

大人しい印象の山田。
それでもバンドでベースをやっているらしい。
とても意外だ。


「三澤亮太、よろしくーん」

だるそうだけど楽しいそうに言う三澤。