放課後を告げる鐘が鳴る。 「あ、謙ちゃん」 「美保、一緒に帰ろう?」 同じクラスにいる限り、嫌でも聞こえてくる会話。 昨日まで一緒に帰っていた美保は、今日から謙二郎と一緒に帰るらしい。 ……狂いそうになる。 謙二郎への嫉妬と恨みで、頭が割れそうになる。 今までずっと、美保の隣は俺のものだったのに。