いったん美保から視線を外す。


そして、今度は廊下側の前から2番目の席に目を向けた。


真っ直ぐ黒板と向き合って、真面目に授業を受けているヤツの後ろ姿を睨む。


相沢 謙二郎(アイザワ ケンジロウ)、俺の中学校からの親友。


……だったのは昨日までのハナシ。


今は、敵。


──……「私、謙ちゃんと付き合うことになったから」


昨日、美保にそう告げられた瞬間から、親友は敵になった。