振り向け ~強引なkiss~

 
屋上に出ると、柔らかな風が俺の髪を揺らした。


「……で、何?」


言いたいことあるならさっさと言えよ。


殴りてーならさっさと殴れよ。


しばらく沈黙が続いた。


「望……」


沈黙を破ったのは謙二郎だった。


くる……!


俺はいつ殴られてもいいように、すばやく身構えた。


しかし、意外なことに謙二郎は殴るどころかガバッと俺に頭を下げた。


「望……ごめん!!!」


「はい!?」