翌日、美保は学校を休んだ。
やっぱり俺のせい、だよな……。
座る主を失ってもの寂しくなった斜め前の席を見つめながら、ため息をついた。
「望」
その時、後ろから声をかけられた。
「……謙二郎」
無意識のうちに体をこわばらせている自分に気付く。
「ちょっと話したいことあるんだけど……」
話したいこと……か。
どーせ美保のことだろ。
どーせ昨日のことだろ。
美保に近寄るな、とか言うつもり?
言われなくても近寄らねーよ。
……つーか、近寄れねーよ。
「いいけど……」
「じゃあ、屋上行こうか」
俺は謙二郎の後に続いて屋上に向かった。

