唇を離し、互いの口から伸びる銀色の糸をプツンと指で切った。 口の中には、まだほのかに美保の甘い味が残っている。 「……のぞ……む」 美保の顔を見て驚いた。 ……泣いてる。 耳まで真っ赤にした美保は、俯いたまま小さく泣いていた。 もう……完璧に終わったな。 「……ごめん」 俺は美保を残したまま教室を出た。 あーあ……俺、本当に最低。 最後まで、泣かせちまったな……。