遅いし送るよ。 と言ってくれた中村くんの言葉に 甘えて家まで送ってもらうことにした。 気まずさをなくそうと何度も口を開きかけて、 その度口をつぐんだ。 わたしが何かを言う資格なんてない。 わたしは中村くんを 傷つけた。 「ぁ、家 ここ…」 「あぁ、うん。」 じゃあ、ね と別れを言って すぐに家に入ろうとする。 「栄井さん」 中村くんの声に振り返った。