わたしの問いに秀はすっと視線をそらして
答えてくれない。


な、んで……?


「ね、…秀、
教室に行ったこと怒ってるの?」


秀の視線が教室の時のようにするどくなって射すようにわたしを見る。

その視線に心臓がドキッとした。


「本気でそんなことで俺が怒ると思う?」


なんだろう……
今日の秀はすごく、怖い。

わたしの前に立っているのは知らない誰かみたいに感じる。

秀が怒ってる所なんて初めてみた……


「隠さないで…、教えて?」

「隠してるのは、はるの方でしょ?」


わたし……?

冷たい視線に心が痛む。


「俺に何隠してるの?

どうして光汰呼び出したりしてんの?」


あ、……

秀は見てたんだ……。
どうしよう何て説明すれば…でもまだ仲直りしたわけじゃないし、話せない。

どくどくと速くなる心臓の音が心を惑わす。


どうしよう……


「言えない?」


秀の言葉に答えることもできなかった。