★エスコイ★




「宮坂さ、ありがとうな!」


「へっ??!」


あたし何かしたっけ?


「ほら…前に告白したじゃん。」


「う…うん。でもそれがどうかした??」


「俺さ、もう宮坂のこと好きじゃないから!」


「えっ?」


「あ!好きじゃないっていうか…勿論好きなんだけど…友達として好きだから!」


河野くん…


「今日久しぶりに宮坂と二人きりで話してきっぱり諦められた!」


「ごめん…っ」


「ちょっ…宮坂っ?」


私は河野くんの優しさに
勝手に涙が出てきた。


こんなにいい人なのに…


「ごめんっごめんなさっ…」


「それ以上謝るとキスするよ??」


「っつ////?!」


え?え??


ぽかんと河野くんを
見る私に河野くんはクスっと笑った。


「冗談だよー!」


………
河野くん…
あんなこと言う人だっけ?


「とにかく!ありがとな!」


「う…うん!」


ほんとあたし何もしてないんだけどな(´・ω・`)






「じゃあな!また明日っ!」



「うん!ありがとう!」


「あ!宮坂っ!」


家に入ろうとしたとき
河野くんに呼び止められた。


「宮坂と秋が付き合ってること、ちゃんと言ったほうがいいぞ!」


「え?」


「みんなお前らが付き合ってること知らないんだし、他の女が秋に取り巻いてるから、宮坂それ見てるのつらいだろ?」



「――っ…」



「つらくないんならいいんだけど……それだけ言いたかっただけだから!じゃあな!」



そう言って河野くんは
走っていった。