結局そのまま何も
話せずに放課後。


「はぁ…どうするの?」


「………。」


この教室にはもう
秋くんはいない。


そのまま話しかけ
られなくて秋くんは
帰ってしまった。


あたしばかじゃん…


「行かなくていいの?」


「もう遅いよ……」


あたしにあと少しの
勇気さえあれば…


「遅くないよ!まだ間に合うよ?」


「……明日」
「できるの??」


あたしが明日にする
と言い終わる前に茜が
聞いてきた。


「できるよ……」
「できるわけないじゃん!!!」


「ちょ…茜??」


「昨日私にあんなにも意気込んで気持ち伝えるって言ってくれたじゃん!!」


……


「それで今日が伝えられないのに何で明日が伝えられるの?意味分かんない。」


「…っごめん…」


「……何で謝るかな…」

「……」


「もう私帰るから…秋くんへの気持ちなんてそんなものだったんだね。」


茜はあたしにそう
冷たい言い放って
教室を出ていった。


さっき茜が言った言葉。


明日気持ち伝えられる訳
ないじゃん!

そうだよ。

きっともっと勇気が
出なくなって気持ち
なんて伝えられないよ。


秋くんへの気持ちなんて
そんなものだったんだね。


違うよ。

それだけは、違う。

言葉じゃなかなか
言い表せないけど
それぐらい好き。


じゃあなんであたしは
声が掛けられなかった?


無視されてるから?