額に何か冷たい感触を感じて、僕はゆっくりと目を開けた。
 目の前に見えるのは、結菜の家のリビングのシャンデリア。
「結菜?」

 辺りを見回すと、傍らに少し心配そうな表情の結菜。
「大丈夫?」

 僕は大丈夫と笑って、額に手をやった。
 と、僕の額を冷やしていた冷たいものは、結菜の手だとわかった。