放課後、真由は約束どおり返事をするべく、優斗の教室に向かった。


教室には優斗と女の子がいた。


真由は教室の外で待つことにした。


「ごめんね。」


女の子のバレンタインチョコを断る優斗。


「どうしてですか?」


「今年は、好きな人からのチョコレート一つだけもらうことにしたんだ。」


つまり、それは真由のチョコレート。


「…そうですか。わかりました。」


女の子はしぶしぶ頷いて、教室を出た。



優斗くん…。


それって、わたし…でいいんだよね?



真由は深呼吸をして、中に入る。


「…優斗くん。」


「真由ちゃん!」


優斗の顔が輝いた。


「…!!!」


真由が見つけたのは、優斗の手の中にあるラッピングされた箱。



あれって…チョコレート…?


ってことは…。



「っ…!!」


真由は涙を浮かべて教室を飛び出した。


「えぇっ!?真由ちゃん!!」


なぜ真由が泣いていたのか、訳が分からない優斗。



なんだ…。


やっぱり、からかってたんだ。


好きなんて…嘘なんだ!


本当に好きな人がいたんだ!!


本気で…好きになっちゃった…。


わたしの…バカ。