「で、優斗くんにチョコあげるわけ~。」


バレンタインデー当日。


真由が持ってきた市販のチョコレートを見て咲妃が茶化す。


「さ、咲妃ッ!!し~!」


「はいはい。」


「だ、だって…。バレンタインに会うのに、手ぶらなんて、おかしいでしょ…。」


真由は恥ずかしそうに言う。


「会えるんだぁ。」


ほのかは嬉しそうに言う。


「まさか、人の分までチョコレート奪ってた真由が、

 誰かにチョコレートあげる日が来る何てねぇ~。」


咲妃はにやにや笑う。


「もぅ!!からかわないでっ。」


「真由ちゃん、頑張ってね!」


「う~ん。頑張るって言うか、なんというか…。」


実際、真由はすでに好きとは言われているのだ。


「ちゃんと付き合うまで、気を抜いちゃダメだよ!」


「はーい。」


本番は、放課後。