マイワールド

私は静かにイヤホンを外した。


感動した。

現実を忘れさせるほどのすばらしい曲だった。

この世界に比べれば、
私の通っている学校なんてちっぽけなものだ、
と本気で思った。

「どうだった?」

竹田さんはにっこりと笑っている。

「すばらしかったです。

なんていうか……
なんか、実際に大自然を見てきたような感じでした。」

本当は、この言葉以上の感想を持っている。

でも、それを言葉にする気にはならなかった。

「やっぱりね。親子揃って才能あるよ。」

竹田さんは少し悔しそうだった。

「ところで、
中栄さん、いつごろ来るって言ってました?」

「三時って言ってた。」

「そうですか。」

それまで何をすればいいのだろうか。