「きょうさぁ、 中栄未来(なかえいみらい)が終業式に来るんだよね? 開校十周年記念で。 あは。 超楽しみなんだけど。」 レミの甲高い声が私の耳に入ってきた。 中栄未来――。 最近有名になった映画監督だ。 何の作品がどうとかは知らないが。 それにしても、友達がいないってこういう時に不便だ。 中栄未来が学校に来るなんて知らなかった。 多分学校中で私だけだろう。 先生の話を少し聞き逃しただけで何にもわからなくなる。 「まぁどうでもいいけど。」 私は、誰にも聞かれないぐらいの声でつぶやいた。