マイワールド

「えぇと、二○○六年に公開された、
『生と死の解き方』から。」

『生と死の解き方』――。

レミと見に行った記憶がある。

詳しいストーリーは覚えていないが、
二人で号泣して帰って来た思い出は忘れられない。

まさか、ウーパーの作品だとは今まで知らなかったが。

「こちらの作品は、
脚本も中栄さんが書かれたそうです。

先生もね、この作品は見に行きました。

非常に、感動できるいい話でしたね。

はい、では読みます。

『人生っていうのはね、木みたいなものなの。中心には...』」

あの言葉だった。

「ウーパー、
やっぱり天才なんだね。」

思わず口に出してしまった。

もちろん、小声だが。

「ネーヤア、何か言った?」

恵子に聞かれた。

「え?

うん。

独り言。」

「そう。」

その後、校長は何か語っていたが、
私の耳には入ってこなかった。


まだ、あの言葉の意味を完全には理解できていないけれど、
何となくわかるような気がする。

この言葉を信じる、信じないは別として。