大会まで後一週間となった。 気は抜けない。 一日三時間という短い時間は、 一秒も無駄にはできない。 現在の最高記録は二十五メートル。 入賞できるレベルにはきている。 「ラン! 俺が幸せにするからな! だから、それに答えてくれよ!」 毎日そうやってランに言い聞かせた。 「よぉしよしよし! ラン、俺らなら優勝できるよ!」 「ワン!」 優勝する夢を何度も見た。 ――勝ちたい。 今の俺にはそれしかない。