久しぶりにやってきた四角石動物園は、
何だか懐かしかった。
「おはようございます。」
あの親しかった後輩が、
動物園の門を開けてくれた。
「あ、おはよう。」
中栄は働いていた時のように、
素っ気なく挨拶をした。
「先輩、もうここは、自然界ですよ。
動物のための動物園です。」
「見せてもらうよ。」
「はい!
お一人で大丈夫ですか?」
「えっ?
あ、あぁ……もちろんだよ。」
なぜか一瞬ためらった。
「……?
……そうですか。
わかりました!
では、ごゆっくり。」
この時、気付いた。
――俺は、優菜に付き添ってほしかった……。
そう思った途端、急に恥ずかしくなって、
首を思いきり横に振った。
――バカじゃねぇの?
中栄は歩き出した。
本当に特別に招待されたようだ。
周りに人はいなかった。
動物園は、本当にすばらしいものになっていた。
自力で飛んだり走ったりできなくなった動物や、
生まれた時から動物園で飼育されていた動物しかいない。
そして、ライオンはサバンナのように、トラは ジャングルのように――その動物に合った環境が作られていた。
ランは吠えることなく、
尻尾を振りながら一緒に歩いている。
中栄は、自分の作った曲を頭の中で何度も再生した。


