ルルル――。
家の電話が鳴った。
「はい、中栄です。」
『あ、重井優菜だけどさ……』
久しぶりに聞く名前だった。
「あぁ、久しぶり。
何、どした?」
なるべく冷静に言った。
『四角石動物園、
もう少しで完成するから。
よかったらさ、今月末に来ない?』
「いいけど、なんで?
開園日は来月上旬じゃなかったか?」
『特別に招待するよ。
ランちゃんも連れて来て。
園長からの命令だから。』
「『命令』?」
『あはは。
冗談、冗談。』
「……。」
『まいいや、
とにかく待ってるから。』
「……了解。」
プツ――。
「『特別に招待』か……。
そんなことしてもらっていいのかな……。」
受話器を持ったまま、
独り言を言った。
「ワン!」
ランが尻尾を振って走って来た。
「だよな!
いいんだよな!
じゃぁ行こうな!」
ランを、めちゃめちゃになるほど撫でまくった。
「じゃぁ、それまでに曲、
完成させなきゃな!」
「ワン!」


