ある日、
中栄はひらめいた。
――作曲……。
その言葉が頭に浮かんだ。
尾を振りながら楽しそうに走るランの姿が、
どうしてもネイルに見えてしまう。
ネイルが走る姿を見たことはないが、
自然とランに重なる。
――優菜はあんなことを言っていた。
確かにそのとおり。
本当のことなんて、まだ誰にもわからない。
だから、いい。
俺が信じたいことを信じる。
勝手な思い込みだっていいじゃないか。
中栄は決めた。
ネイルとランが走る姿を、曲にする。
高校生までオーケストラの勉強をしていたことを活かして、
作曲をすることにした。


