いつもの五時間が流れ、帰り学活も終わると、 私は直ぐさま家へダッシュした。 クリに会いたい。 高校入試を考えてなんとなく入った美術部は休部中。 これはまたとないチャンスなのだ。 「クリ! クリ! きゃぁ、いたぁ。 爪磨ぎ?」 一人でクリに話し掛ける。 クリはまともに私の話など聞いていない。 かまわない。 爪磨ぎに夢中なクリがかわいい以上にかわいい、それだけで満足だ。