「犬っ?」
優菜は目を丸くした。
「そ。
シェパード。」
中栄は自慢げに言った。
「いいの?
あんたんち、
アパートでしょ?」
「だから、引っ越すことにしたよ。」
「へぇ……。」
優菜はしばらく口を開けたままだった。
「だからさ……俺、ここ辞めるよ」
きっぱりと言った。
「はっ?」
優菜は顔をしかめた。
「なんか、ネイルからの贈り物に見えて。
どうしてもあいつと暮らしたいんだよ。」
「……そんな風に思って飼ったら、
その子、かわいそうだよ。」
「え?」
「その子はその子でしかないよ。
生まれた時からその子だよ。」
「……。」
中栄は黙り込んだ。


