マイワールド

「お電話代わりました。

……はい……」

中栄の顔も、
優菜と同じように険しくなった。

「ご報告……ありがとうございました……。

失礼しました……」

なんとか受話器を元の位置に戻すことができた。

だが、足は震え、放心状態になってしまった。

「行かないの?」

優菜の問い掛けにも答えられなかった。


沈黙が続く――。

「行けよ!」

優菜が怒鳴った。


そのおかげで、
中栄は我に返った。

「ネイル……」

「行ってこい!

間に合うよ!

大丈夫だよ!

走れよ!」

優菜は部屋にヒビが入るほど叫んだ。

「……行ってくる。」

まだ現実が受け入れられなかった。

何度も瞬きをしてから、ようやく足を動かした。