マイワールド

「誰もいないのか?」

「うん。

いつもそうなんだ。

九時ぐらいまで帰ってこないの。」

「へぇ。」

明は私のベッドの上に、折れた足を真っすぐにして座った。

私は自分の椅子をクルクル回しながら話した。

「で、何?」

「あ、あのさぁ。これ。」

明はきれいに包装されたものを私に渡した。

「おみやげ。

裕也の分も。」

「どういうこと?」

「こないだ、裕也と旅行してきたんだよ。

もちろん親付きだけど。

んで、そんときのおみやげ。」

「へぇ。

ありがとう。

なんで今なの?」

「本当は試合に勝って『ありがとう』って言ってグランドで渡す予定だったんだけど、
負けたし、俺病院行きだったし。

でも、負けたから今日渡さないって、
なんかセコいじゃん?」

「……。

そうかな?

あはは。

えらいね。

折れた足でわざわざ夜に。

……で、なんで裕也は来なかったの?」

「ショック大きかったんじゃね?

裕也って、第一印象サバサバ系だけど、
実は結構気にするから。

今頃家で泣いてると思う。」

「へぇ。」

大体話がわかってきた。

「開けてもいい?」

「あぁ。」

私は包みを開けた。

中身は、ストラップとシャーペンだった。

「いや、可愛い!

ありがとぉ。」

私は素直に言った。

「ストラップが俺からで、シャーペンが裕也から。」

「了解。

後で裕也にメールしておくよ。」

私は裕也からのプレゼントを学校用の筆箱に入れ、
明からのプレゼントをケータイに付けた。