マイワールド

「ふざけんなよ!」

ビクン――。


舞台裏の手前にある通路を何気なく通っていると、
カナッペの怒鳴り声が聞こえた。

「たった一回とか思わないでくれる?

あんな目立つところでよく堂々とリードミスなんかできるよね。」

「あたしはマジで金狙ってたよ。

いくら『点数付けられるのは嫌い』でも、
やっぱり賞はほしいよ。

なんで?

はるが潰したようなもんじゃん!」

「もう最悪。

三年の思い出なんてあったもんじゃないよ。」

同学年の女子達が口々に言った。


私は、ちらりとそこに目をやった。

すると、目を真っ赤にして黙りこくっているはるを
八人の三年生が取り囲んでいる姿が目に飛び込んできた。

八人の中にはカナッペもいた。

「ごめんなさい……。

でも……まだ金取れないって決まったわけじゃないよ……。」

はるが震えた声を出した。

「キモ。」

カナッペが鼻で笑った。

「マジ意味わかんない。

バカにしてんの?」

「調子乗ってんじゃねぇよ!」

「おまえのせいでめちゃめちゃだよ。」

「はぁ……。見てるだけでいらいらする。」

「ブリブリしてんなよ! ブス!」

また責められた。


ブーッ――。

タイミング悪く、休憩時間を知らせる音が鳴り響いた。


私はとっさに近くのトイレに逃げた。