マイワールド

そして、
カナッペのいる『プログラムナンバー三番。西中学校』――。


毎日見ている吹奏楽部員が、
静かに入場してきた。


忘れていたが、
西中学校の吹奏楽部には、はるがいるのだ。

お正月に、私と裕也を『バカなカップル』と呼んだ彼女だ。

今、部活で嫌われていると聞いた。

そんなはるが、まともに吹けるのだろうか。


タララ――。

金管系がきれいなハーモニーを奏でた。

そこにフルートの細かい音が入る。

そして、全ての楽器が激しく鳴りだした。


カナッペはトランペット、はるはクラリネットである。

私は二人を交互に見た。


しばらくして、フルートのソロが始まった。

そして、ソロを引き継いだはるのクラリネットが、リードミス(加えている部分が変に振動してしまうこと)をしてしまった。


ドクン――。

私の心臓が大きく鳴った。

西中学校の演奏がどうというわけではなく、
これからはるがどうなってしまうかだ。

ここまでは音程の狂いもなく、
ほぼ正確に、そして大胆に優雅に演奏していた。

そこにリードミス。

誰もはるを責めないでほしい。


いろんなことを考えている間も、
曲は流れていく。


たった一回だ――。

大丈夫だ――。

いつの間にか、
私はがっしりと手を組んでいた。


指揮者が棒を下ろした。

西中学校の演奏は終了。


私は今にも倒れそうだった。