マイワールド

そこには、たくさんのトロフィーや賞状が飾られていた。

「意見文コンクールっつったら、
一昨年に無くなっちゃったんだよなぁ。

地区で『中学生の声大会』ってのがあって、
弁論部門と意見文部門に分かれててさ。

金山は確か、最優秀賞だったっけ。」

段ボールをあさりながら、
門倉先生は言った。

「そうなんですか。

でも、今でも弁論コンクールはありますよね。」

私は先生の動く背中を見ながら言った。

「意見文は人気が無かったんだよ……。

……あった!」

先生は段ボールから赤紫色な本を一冊取り出した。

『一九八二年度、地区中学生の声大会、優秀作品集』

それは原稿ではなかった。

「それ、あげるよ。」

「え……いいんですか?」

「あぁ。

当時生徒全員に配る予定だったんだけど、
なんか、学校のミスで十冊多く作っちゃったみたいだから。」

「あ、ありがとうございます。」

私はその本を受け取った。

「んじゃぁ、鍵掛けるよ。

出て。」

先生は職員室に戻っていった。


私も帰ることにした。