マイワールド

私はトイレから飛び出した。

向かう先は、もちろん門倉先生のいる職員室だ。


コンコン――。

私は職員室をノックした。

「失礼します。

門倉先生はいらっしゃいますか?」

「あ、はいはい。

どしたの?」

先生が小走りでやってきた。


この先生は、担当教科美術、美術部の顧問、超鈍感男教師だ。

最近、白髪が出てきている。

「ちょっとお時間いただいてもいいですか?」

「あぁ、いいよいいよ。」

そう言うと、
先生は職員室を私と一緒に出た。

「何?

部活のこと?」

職員室前の廊下で、門倉先生が言った。

「あ、いえ……。

職業体験のことっていうか、何ていうか……。」

「まいいや。

話してごらん。」

「あの、金山ゆりかって知ってますか?」

「あぁ。教え子だよ。

モデルになった子だよ。

今はどうしてるか知らないけど。」

「私、職業体験、動物病院なんですけど、
その金山ゆりかさんが働いてたんです。」

「へぇ。知らなかったよ。

それで?」

「意見文コンクール……。

彼女の作品が読みたいんです。」

「あぁ、はいはい。

わかったよ。

じゃぁ、ついてきて。」

門倉先生は事務室の奥に私を連れていった。