「何か、言いたいことがある人。」

担任は言った。


ここは相談室。

恵子、あかり、ゆい、レミ、ゆり、はる、私、先生で円を作った。

これが『話し合い』というものなのだろうか。

私にとっては初体験だった。

「はい!」

恵子が手を挙げると、先生が指名した。

「レミは、どうしてネーヤアを利用したの?」

恵子は堂々と質問した。

「ウチの元カレと付き合ってるから。

ウチと別れたのを狙うみたいにして、
イチャイチャしてて、ウザかったから。

ネーヤアは流されやすいから、うまくできると思ったの。

お姉ちゃんの影響で、早めに恵子をハブにしなきゃいけなかったし。

いけないってことぐらい、ウチにだってわかってるよ。

だから、反省はしてる。

もう二度とこんなことはしない。」

レミの口からこんなことを聞くのは初めてだが、
きっとこれは本心ではないだろう。

「私は……許さないよ、レミのこと。

これから私はどうしたらいいの?」

『話し合い』というのは、意外に気持ちのいいものだった。

被害者の立場なら、ためらうことなく言いたいことが言える。

「知らない。

でも、もうウチはネーヤアと仲良くする気なんてないから。

いじめじゃないよ。

ただ、合わないからつるみたくないだけ。」

恵子が静かに言った。

「悪いけど、ウチも同じ。

ネーヤアとは無理。」

「ウチも。」

あかりとゆいが言った。

「ウチも、利用したのは嫌いだからだし。

もう無理かな。ネーヤアとは一緒にいれない。」

「ウチも。」

レミとゆりも言った。