マイワールド

とその時、
恵子が下を向きながらニヤリと笑った。

私はこの瞬間を見逃さなかった。

「恵子!」

しばらく閉じていた私の口がようやく開いた。

「何?」

恵子は不機嫌そうに私を見た。

「あんたがやったんじゃないの?」

私は迷わずに言った。

「はぁ?」

「そのプリントをゴミ箱から出して、
わざと教室に落としたのは、恵子だろ、っつってんの!」

「何でそうなるの?

証拠もなしに?」

「そのくらいわかるんだよ!

なめんなよ!

お姉ちゃんの命令だか何だか知らないけど、
あんたらの対立が、どんだけ迷惑だかわかってんの?」

「うっせぇよ。ブス!

動物オタクとか、マジ理解不能!」

「それの何がいけないわけ?

話そらすなよ!」

私と恵子の怒鳴り合いは初めてだった。

「なぁにやってるの!

最終下校時刻過ぎてるじゃない!

どうしたっていうの?」

これもまた、最悪のタイミングで担任の先生が入ってきた。

「先生!

こいつが……」

「落ち着きなさい!」

恵子の話を、先生は遮った。

「裕也!」

先生はなぜか裕也の名前を呼んだ。

「はい?」

「あなたが説明しなさい。

あなたなら、第三者として、
今冷静に話ができるでしょ?

他の人の話は、その後に聞きます。」

「はい……。」

裕也は一歩前に出て、今のことをすべて話した。