マイワールド

「珍しいじゃんか。

待っててくれるなんて。

うれしいよ。」

私は裕也の言葉には応じなかった。

何も言わず、ただ裕也を見つめた。

私が何か言う前に、気付いてほしかった。

「どうした?

怖い顔して。」

「……。」

裕也はゆっくりと私に近づいてきた。

「何、持ってんだよ?

それレミのプリントじゃん。

しかも随分昔の……ちょっと見せろ!」

裕也は私からプリントを奪い取った。


気付いてくれてうれしかったが、
顔はそのままでいた。


裕也の、プリントを読む顔がだんだん険しくなっていった。

「何だよ、これ?

こいつ、人間かよ?

利用もいいとこだよ!

俺がボコしてきてやろうか?」

裕也は怒りをそのプリントにぶつけた。


私は何も言わなかった。

「意味わかんねぇ!

女子は怖いとか、
もうそういう問題じゃねぇよ!」


その声を聞き付けたのだろうか。

最悪のタイミングで、レミが教室に入ってきた。

「何騒いでんの……?」

レミは何も知らないようだった。

「何だよ、これ!」

裕也はレミにプリントを見せ付けた。


それでも、私は何も言わなかった。

「はぁ……?

だ……な……ちがっ……ネーヤ……。」

レミはそれを見ると、
空気の抜けたような声を出して、一歩ずつ引き下がった。

「これは何だって聞いてんだよ!

答えねぇなら、俺の思い込みが真実になるけど!」

裕也はレミを追い詰めた。

「……ありえない!」

レミは叫んだ。

「はぁ?」

「だって……これがここにあるわけないもん!

……。」

「意味わかんねぇよ!」