輝星side

「おはよう輝星」

「おはよーみっちゃん」

教室に入るなり友達の野原美津(みっちゃん)が近寄ってきた。

「今日もギリギリだったね」

「うん。今日も結城が起こしてくれなかったんだよ」

同じ学校なら起こしてくれてもいいのに。





「ははーん。結城も限界かにゃー」

みっちゃんが顎に手を当て呟いた。


「限界って何が?」

「鈍感な貴方には一生かかっても分からないこと」

「…?」









「輝星!!」

「ひゃぁっ!!」

突然後ろから叫ばれて抱きすくめられる。


「春太…びっくりした」
振り返るとクラスメートであり幼馴染みの春太が立っていた

「あ…ごめん。輝星見たらなんか嬉しくて」

「嬉しくても急に抱きついちゃ駄目だよ?好きな子いるんでしょ?誤解されるよ」

私がそう言うと隣のみっちゃんがあからかに顔をしかめる。


「本当に鈍感な子」

「だろ?」

「苦労するわね。春太」

「まぁな」



――…?

春太もみっちゃんも何話してるんだろ?