呪った。最悪だ、悪夢だ。これは悪夢であって欲しい。手足はふさがり更に息は苦しくなり、叫んで飛んだ瞬間私は気が遠くなり頭の中は真暗になった。叩きつけらた感触はあったが私はベッドの上に居た。悪い夢を見ただけではなく心底幸運だと心が叫んでいた。
ようやく四つん這いとなって息を凝らしていたがひどい不整脈が感じられ心不全を起こしかけているように感じられた。
やっとの思いで気を取り直し、やがてそれもようやく治まった。
カーテンを開けると数十階の窓より常夏の絶景がカーテンの外にあった。
軽い服装に着替えてロビーに降りて広い窓越しに見えるエメラルドカラーの海原は嘘のように綺麗だった。    
あまりにリアルな夢だったので朝食の時にその悪夢をテーブルを囲むツーリストメンバーに話して聞かせたが一笑にふされた。
何故か一人は朝食に降りて来ずルームサービスに尋ねた。部屋を開けさせると、ベッドには穏やかな寝顔があった。
コンセルジュは言った。「息をしていません!!」
私は直感した。『飛んだんだな!』
私の呼吸が宙で始まり
心はそのままざわめきに変わった