「先輩っ!!」
武先輩に引っ張られてるから…先輩の顔が見えない…
「せんぱ…」
「…………」
聞きたい事がたくさんあるのに…こんなんじゃ聞けないよ…
「先輩っ!!」
何回目かの声で先輩は気づいたみたい…。
「あっ、ごめ…手、痛かったよな…」
「いえ、」
赤くなった手首を先輩は撫でた。その手は凄く優しくてドキドキした。
「先輩…さっきの…」
「…………」
「本当ですか?」
“好きな奴の言葉、一番に信じなくてどーすんだよっ!!”
「私の事…好き…」
なんですか?と言おうとしたら先輩に口を塞がれた。
「?」
どうして口を塞がれたのかわからない…先輩は手で私の口を塞いだまま何も言わない…
「…はぁ」
ため息をついて私をみなおした。
「お前は何でも先に言いすぎ…」
え?

