先輩、大好きっ!




「なにやってたんだよ」


「……あっ…」


武先輩が私の肩を掴む…力が入ってて痛い。


「部活、途中からサボってた?」


「ちがっ…」


「明音が一人でハードル運んでたけど…お前、サボってた?」


「ちがっ…」


私、倉庫で寝てた…だからサボってた事になる?でも…私は…閉じ込められた…


「こんなところにいたんだ。世奈ちゃん。」


「明音さん…」


「急にいなくなったから…心配したんだけど、サボってたみたいだね。心配して損しちゃった。」


「ちがっ…」


「倉庫でなにしてたの?」


「見て…」


「うん。ハードルをなおしに行こうと思ってたら、倉庫から世奈ちゃんが出てきたから。」


「………」


何も言えない…だって寝てたのは事実。閉じ込められたなんて言っても信じてもらえない…


「お前…」


武先輩の顔が見れない…怖い。


「世奈ちゃんっ!!どこにいたの!?心配してたんだよ!」


私が何も言えずに俯いてると渋谷先輩が来た。


「渋谷先ぱ…」


「世奈ちゃんは倉庫でサボってたのよ。渋谷君。」


私が事情を話そうとしたら明音さんが横から言った。


「えっ?」


「っ…」


唇を噛んで俯くしか出来なかった。


「ハードルあんなに一人で運ぶの大変だったのに…世奈ちゃんはサボってたなんて酷いよ。」


明音さんは泣きそうな声で言う…


「とりあえずハードルなおして、部室で話そう。」


「…………」


渋谷先輩がそう言うと…武先輩は無言でハードルをなおしはじめた。私はなにがどうなったのかわからず…ただ、涙が出ないように唇を噛んでた。