素直になれない

きっと、あたしは

戸川悠士が好き。

ずっとそうだったのに、

意地はって、素直になれなかったんだ。


「この前の、忘れていいから」
「へ?」


あいつは顔を下に向けて


「倒れるくらい考えさせるなんて思ってなかったから」


忘れてって、告白のこと?

ナシにするの?


「い・・いやだよっ」


あたしはとっさに、

あいつの手を握った。

行かないでほしい。

あたしの気持ちを聞いてほしい。


「あ、たし・・・あんたが好き、だよ」


たぶん顔は真っ赤で

手だって汗ばんでた。


「ありがとう」


小さく言ったあいつは、

あたしを抱きしめた。


「好きだ、心」
「あたしもだよ、悠士」


初めて名前で呼び合った。

照れくさくて、

でも、すごい嬉しかった。






素直になれたよね?

あたし。