彼女の首元には、あの時と同じ白いマフラーが巻かれていた。

くっきりとした目鼻立ちの彼女には、やっぱり白がよく似合う。




「温かいな……」

「え?」


ポツリと呟いた彼女の一言に、オレはすかさず反応する。

すると彼女は、空からオレへと視線を戻し、にっこりと笑った。


「疾風がさ、雪は温かいイメージだってよく言うでしょ?
なんか最近その意味が分かった気がするんだ」

「……マジ?」


「うん、だって雪を見ると、疾風が嬉しそうなんだもん。
そんな疾風を見てると、あたしまで嬉しくて、心がポカポカしてくるの」


それだけ言うと、彼女は微笑みながら再び空を見上げた。