手を繋ぎ、駅前の大通りを寄り添いながら歩く。
「和華ちゃん、今日は何食べる?」
「うーん、じゃあパスタ!」
「ラジャ!反対側のパスタ屋に行こ!オレ、腹減った」
わざとらしく腹を押さえると、タイミング良くぐぅっと音が鳴って。
そのあまりにも情けない音に、2人顔を見合わせて同時に吹き出す。
「あー疾風、おかしすぎ」
「いいじゃん、自然現象なんだから」
すっかりツボにはまってしまった彼女はしばらくの間ケラケラと笑っていた。
それがなんとなく悔しくて、オレは彼女の手を握り直し、仕返しとばかりに勢いよく走り出す。
「……急げっ!!」
「え、ちょっ……待っ……疾風!?」

