「疾風ーっ!!お待たせっ!」 ――あれから2年。 今日もオレは、自宅から少し離れた駅前ロータリーで、愛しい彼女が走ってくるのを待っている。 待ち合わせをしている時は、いつも定時で仕事を切り上げて、急いで来てくれる彼女。 早足で来るせいか、ほんのり顔が赤く染まってるのがまた可愛い。 だから、人目もはばからずついつい抱き締めてしまう。 「お疲れ、和華ちゃん」 そう彼女の名前を呼びながら、ちょうど2年前――受験生だった頃の冬を思い出す。