「あ〜おかしっ。キミ、さっきから考えてること、全部声に出てるから」 「なっ!!」 ってことは、つまりアレか? 今の高級品サギ疑惑。 全部聞かれてたって話? かーっ……!! 恥ずかしすぎて、一気に顔が熱くなってくる。 「あのさ、そんなマフラーひとつで後になって金取ろうとか、アホなこと考えてないから。 ホントに、さっき言った通りだよ。 だってキミ受験生でしょ? 冷えは大敵!」 「……すんません」 はっきりとした彼女の言葉に。 目尻を下げて笑うその表情に。 嘘はないって思えた瞬間だった。