私達の方に顔を向けた知花の表情は能面の様で、全く人間の感情が感じられなかった。
何か様子がおかしい…
「知花ちゃん大丈夫?」
私が肩を叩こうとした瞬間、知花が口を開いた。
「またお前達か…」
「え……?」
「またお前達が、私の邪魔をしているのか」
こ、この声は、知花のものではない。この声は、あの店主の――!!
「なぜお前達は、私の計画を邪魔するのだ」
「邪魔…って、当然でしょう!!
罪の無い人達を自殺に見せかけて殺し、大勢の人達を苦しめる…
そんな事が、許される筈がないでしょ!!」
店主は私の言葉を聞いて笑った。
「ははは、愚かな…
人間は私欲に溺れ、自分の利益の為には平気で裏切り、陥れる。
そんな存在は、この世から、全て消えてしまえば良いのだ」
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