「じゃあ始めます。
千里さん、愛美さん…よろしくお願いします」

知花はそう言うと、唯一動かす事が出来る右手で携帯電話を握った。

そして、親指で操作して占いサイトにアクセスした。

私と愛美は知花の正面に立ち、事態の急変に備えた。


「占いサイトにアクセスしました。今から2択に答えて、最後のページまでいきます」

私も徐々に緊張感が高まり、次第に喉が渇き、手の平に汗をかいてきた。


「最後まで読みました。2番目のサイトに移動します」

意外にも知花は冷静で、淡々と次へと進んでいく――


そういえば、私も愛美が事件に巻き込まれた時は、恐怖心を打ち消す程の怒りに満ちていた。

今の知花も、同じ心境なのかも知れない。


「大丈夫?
止めても良いのよ」

愛美の言葉に、知花は笑顔で首を横に振った。

「大丈夫です」


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