公園に到着した私達は、入口から一番遠いベンチを選んだ。万一の事を考えて、車道から離れた場所にしたのだ。

ベンチから車道までの距離は、約30メートル。最悪の時は、この間に体当たりをしてでも止める。


「じゃあ、知花ちゃん縛るよ」

「はい」

ここのベンチは埋め込み式で、人間の力で動かせる様な物ではない。


知花をベンチに座らせると、私と愛美で動けない様に縛り付けた。

まず足首を縛り、腰から下をベンチの座る部分に何重にも縛って固定させた。

その後で、背もたれの部分に上半身をくくり付けた。


動かす事が出来るのは、右手の肘から先だけだ。これなら何があっても、絶対に動けない。

その状態を確認し、更にその上を布テープで貼り付けた。


念には念を入れておかないと、何が起きるか分からない。


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