「え――…」
「そう。
知花ちゃんが友達を助けたバターンと同じ、私が服を掴んでね」
「まあ、3ヵ月近く入院したけとさ。
ははは!!」
笑っている愛美を放置し、私はもう一度知花の目を正面から強く見詰めた。
「だからね、冗談なんかじゃないの。その時の私も、知花ちゃんと同じ様に、必死で原因を追い掛けたんだから」
知花は私の言葉に、首を縦に振った。
韻の説明が一通り終わり、私は目の前にある冷めたコーヒーを飲み干した。
そして落ち着いて、先程から引っ掛かっていた疑問を考えた。
今までもそうだったが、あの店主の手法は、韻により指示行動を脳に刷り込み、何かをきっかけにして催眠状態に陥れてきた。
占いサイトを見た直後に異常行動を起こすなんて、今までに無い手法が用いられているのだろうか?
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