断罪者


前原の兄に何度も頭を下げると、直ぐに私は家路に着いた。帰宅して、携帯電話をじっくりと調べる為だ。

坂道を下り、一気に学まで戻ると、後は10分程で自宅の車庫に到着する。



帰宅すると空腹も忘れ、自室に飛び込んだ。そして、ポケットから預かってきた2台の携帯電話を取り出した。

これで、何か分かるかも知れない…

私はまず礼の携帯電話を開き、メールの送信ボックスを確認した。


最後の送信は、私宛の遺書…それを見ると、胸が締め付けられる様に苦しくなった。

それでも、必死で込み上げてくる涙を堪え、次のメールへと手を動かす…


私や沙菜、それに前原へのメールが続くが、特に変わった内容の物は無い。


あれ――?


私はその時、妙な違和感を覚えた。

確か沙菜は、あの占いサイトのURLは、礼から送られてきたと言った…

しかし、礼が沙菜に対して送信しているメールには、そんな内容のものは無かった。


.